今回は、ゲームボーイの液晶画面に黒い影が出来てしまう「ビネガーシンドローム」の修理について

液晶が黒くなるこの現象は、ゲームボーイポケットでよく見かけますが、症状が進むとゲーム画面は全く映らなくなってしまいます。この記事では「ビネガーシンドローム」とは何か、その原因や予防法、黒くなってしまった液晶画面の修復方法について話をしていきたいと思います。

ビネガーシンドロームとは何か?その原因と対策

ビネガーシンドロームとは、液晶画面に溶けたような跡、黒い影が出来てしまう症状で、その原因は、液晶上のフィルムの成分が長期保存などの理由により加水分解し、変性・変形する事で起こります。ビネガーシンドロームとなった液晶から劣化したフィルムを剥がすと、お酢のような強い臭いを発する事からビネガー(酢)シンドローム(症候群)と呼ばれています。

症状の軽いゲームボーイアドバンスと症状が進行したゲームボーイポケット

高温多湿での長期保管が原因の一つと言われていますが、押入れの中に何年もゲームボーイをしまっていて出していないという人も多いのではないかと思います。湿気がこもりやすい場所でゲーム機を保管する事は、液晶画面への影響だけでなく、様々な金属部への影響もあるので、除湿剤を使ったり、風通しが良い場所で保管する事が予防・対策になるでしょう。

ビネガーシンドロームの液晶画面を修復するために必要なもの

ビネガーシンドロームは、ゲームボーイポケットの液晶画面で多く見受けられるので、今回はゲームボーイポケットを使って修復方法を話していきます(必要な物や方法はその他GBシリーズでも同様です)

  • 修理するゲームボーイポケット本体
  • ゲームボーイソフト
  • 単4乾電池2本
  • Y字ドライバー
  • プラスドライバー
  • はさみ
  • ティッシュ
  • マジック
  • ※無水エタノール
  • ※偏光板1枚
  • (カッター)
  • (プラスチックのへら)

()はあると便利だけれど、なくても大丈夫な物です。

無水エタノール」は、ビネガーシンドロームで液晶画面に付着した劣化物を取りやすくするために使用します。水をほぼ含んでおらず、洗浄力が高いもののすぐに蒸発するため、水拭きが向いていない電化製品の手入れなどに適しています。余った分は家庭での掃除にも利用出来ます。

偏光板」は、液晶画面の上に貼られた薄いプラスチック製の板で、液晶に表示された映像は、この偏光板を通して光を整え、目に見えるようになります。

ビネガーシンドロームになった液晶画面の修理方法

  1. ゲームボーイポケット裏面、6本のネジをY字ドライバーで外します。
  2. 基盤上部に付いている液晶画面のケーブルを外します(端子両端の白い部分をスライドさせて外します)
  3. 基盤を留めている3本のネジをプラスドライバーで外し、基盤を取り外します
  4. 隙間にヘラを差し込み、両面テープで留められた液晶画面を外します。(隙間に入る平たい物であればヘラでなくても大丈夫です)
  5. 液晶の表面に偏光板が貼り付けられているので、カッター(はさみ)を使って端を持ち上げます。(1ミリ弱の段差があるので、そこを持ち上げます)
  6. 手で偏光板をゆっくり剥がしていきます。液晶表面にはガラスのような硬く細かい物質が付着しています
  7. 無水エタノールをティッシュに浸し、液晶表面の物質に染み込ませて拭いていきます。劣化の進行状態にもよりますが、かなり頑丈に付着しており、拭き取りに時間がかかります
  8. この作業を繰り返していくと、表面の硬い物質が取れ、今度はシールを剥がした後のようなベタつきが残るので、これも同じように拭き取っていきます
  9. 表面の物質をすべて拭き取ると写真のように綺麗な状態になります。(※劣化が進んでいて、液晶自体もかなり黒い状態となっていました)
  10. 液晶画面を基盤に接続、背面側の外装を基盤にかぶせ、ソフトと電池をセットしたら電源をONにします
  11. 液晶画面の上に新しい偏光板を乗せます。偏光板は画面が映る向きと映らない向きがあるので、映る向きを確認して覚えます
  12. 表面の外装を使って偏光板をはめ込むサイズを確認し、マジックで印を付けてカットします
  13. 偏光板表面に貼られたシートを剥がし、外装の内側にはめ込みます(映像が映る向きを間違えないように)
  14. これまで分解してきた手順を遡って、元通り組み立てたら完了です

今回使用したゲームボーイポケットは、ビネガーシンドロームの影響が液晶自体にも及んでいて、劣化物の除去、偏光板の交換をして画面が映るようにはなったものの、液晶の黒さが残ってしまいました。

ネットにアップされている他の方の修理を見ると、分解前の液晶の見た目は、今回私が使ったゲームボーイポケットと同じくらいの黒さでも、偏光板を剥がしてみると液晶自体には劣化が侵食していないという物も見受けられるので、偏光板を剥がして液晶の状態を見れば、作業終了時の液晶の状態もイメージ出来ると思います。

 

今回やってみた感想は、作業自体はさほど難しくありませんが、液晶にこびりついた劣化物を取り除くのに30分以上かかったので、状態によっては液晶を交換したり本体を買い替えてしまう方が手っ取り早く済むかもしれません。



以上、今回はゲームボーイのビネガーシンドロームについて、その原因や対策、修復方法についての話でした。

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